近藤美喜男(こんどう みきお)さん
平成28年度認定マイスター 生産技術アドバイザー 仕上げ・機械検査
これまでの歩み
近藤美喜男さんは仕上げ・検査の特級技能士の取り組みが認められ、2015年に「黄綬褒章」を授与された。 就職先の企業では大型プレス機や製鉄機械の製造に携わってきた。転機はそれまで製品の仕上げの部署から、検査課に配属されたことだった。このことによりものづくりの一連の流れを学び、多能工としてオールマイティに活躍できるようになった。 また海外経験も豊富で34歳の時には仕上げから試運転まで現地据付け工事のため、ソ連(現在のロシア)に4ヶ月半滞在した。それをきっかけに台湾、韓国、ドイツ、インドネシアなど様々な国や地域で活躍された。また会社の労働組合の委員長を務めた経験も持つ。それらの数々の経験が今の近藤さんを創り上げている。
有言実行・勉強は戦い
多くの資格を持つ近藤さんだが、これまで試験で一度も不合格になったことがない。自分は意思が弱いからと話す。周りに公言して、どうしてもやらなければいけない状態に追い込み自分自身にプレッシャーをかける。出張先でも勉強する先輩方を見習い、お酒を断ち睡魔と戦いながら53才で最後に受けた高圧ガス製造保安責任者の試験でも、試験当日には猛勉強の影響で体調を崩しながらも見事合格した。
ものづくりに対する思い
現在は仕上げ・機械検査のエキスパートとして地元高専・高校や企業からの要望に応じて、技術を教えに出向いていく。作り込まれた教材用の資料からも近藤さんの真面目で実直な性格が窺える。何でもオールマイティにこなせる人材を育て、またそんな人材を活かせる組織がいいねと話す。 人から頼まれることも多く、自治会長や農業委員・土地改良区理事長なども務めている。今はお天気相手の稲刈りも入り多忙な毎日の中で、「時間が欲しい」とそっと漏らす。