山本 誠二(やまもと せいじ)さん
令和元年度認定マイスター 新居浜福助株式会社 製造2課 課長 プラスチック・インフレーション成形作業
インフレーション成形一筋に
山本誠二さんはインフレーション成型のエキスパート。インフレーション成型とは原材料となる樹脂を熱し溶かして、金型から風船のように膨らませて筒状のシートに成形していく。山本さんはその製造現場を管理する。後にそれらをカットするなど加工して、身の回りにあるレジ袋やゴミ袋が作られる。
袋にも因るが、何万枚と作られる袋の厚みを20μm±10%(髪の毛の半分以下)の品質に保つように管理しなければならない。特に色を付ける樹脂顔料を混ぜる色物の袋を作るのは不良品となりやすい。そのためにも日々のメンテンスが欠かせない。新居浜福助では通常の袋と比べて難しいとされる色物の袋を任されることが多い。
従業員第一の社風
福助工業では新居浜の学校を卒業した人の採用が多いという。地元からの工場見学やインターンシップも受け入れている。
クレームを出さないことで他社より良かったと客先から言われたり、自分の仕事が評価されて給料があがったりするとやりがいを感じると話す山本さん。知っている人が働いていたことがきっかけに入社した当時は福助工業の業務内容を詳しく知らなかったという。利益が出れば、利益を社員に還元する会社の社風にも共感した。それから36年の月日が流れる。
後に続く若い後輩たちへ
社内ではすでに技術的には充分という部下が多いが、コミュニケーション能力不足を感じるという。現場を管理監督する役割を果たすためには欠かすことができない。特に最近の若い人に欠けていて、山本さんも積極的に話しかけるように心掛けている。実年齢よりも見た目がずいぶん若く見えるのもそのせいかもしれない。
いつか自分に続くマイスターが会社の中から人材が出ることを期待して、今日も後輩の指導に当たっている。