小泉　裕（こいずみ　ゆたか）さん

平成28年度認定マイスター　住友重機械搬送システム株式会社　生産部　製造グループ　溶接職場組長 鉄工（構造物鉄工作業）

これまでの歩み

住友重機械搬送システムでは、港湾で何百ｔという積荷を搬送するジブクレーンやアンローダーを製造している。小泉裕さんはその巨大な構造物の溶接を担当するグループを率いている。 入社当初は製缶業務をしていたが、ＪＩＳの溶接資格取得をきっかけに溶接の世界に魅入られて本格的にその道を歩み出した。時には板厚150mmを手掛け、数10ｍに及ぶ構造物を朝から晩まで溶接をしていたこともある。その実力は、愛媛県溶接技術コンクールで最優秀賞を受賞し、全国溶接技術競技会で８位に入賞した結果にも繋がっている。現在は、組長として部下をまとめる一方で、工程管理、社内外での溶接指導、外部講師などの溶接に関する仕事を積極的に取り組んでいる。

仕事のやりがい

小泉さんは近隣の某造船所で使われる門型のゴライアスクレーンの製造にも携わった。自分が溶接したものが形になって見えたときにやってきてよかったと感じるという。 溶接技術者として、欠陥が出ないように細心の注意を図る。積み重ねてきた経験と研ぎ澄まされてきた感性により、溶接箇所に欠陥となる要因を可能な限り事前に取り除いておくことがポイントになる。より完璧を目指す姿勢は製品の品質向上にも繋がっている。

これからの目標

外部からの要請を受けて、四国地区高校生溶接技術競技会での模範演技や地元の工業高校へ直接指導に出向くこともある。 自らも出場した溶接技術コンクールに後輩が出て、活躍することがうれしいと話す。次々と若い後輩が入ってくる中で、やり方を全て教えるのではなくて考えてもらいながら、教えるのだという。ここ新居浜から一人前に育っていく若き技術者たちを小泉さんが陰ながら支えている。