伊藤 稔(いとう みのる)さん
平成30年度認定マイスター 株式会社イージーエス 業務テクノサービス部 講師 機械保全(機械系保全作業)
安全体感教育の大切さ
地域の企業に安全体感教育を実施して、毎年1500人以上の修了者を輩出している。転倒、挟まれ・巻込まれ、落下などの危険を疑似体感してもらうことでその怖さを知り、安全意識の重要性を理解してもらう。
最近では時代と共に安全を取り巻く環境も変化し、定期的に内容も見直している。最近ではVR(バーチャルリアリティ)を使って、高所からの落下や感電なども体感することができる。購入した教材をそのまま使うのではなく、自分たちのアレンジを加えてより良い教育になるように心掛ける。ことさら、命にも係わる安全に対しての思い入れは強い。伊藤稔さんもその一員として教壇に立つ。
経験をもとに指導者として
できるだけ与えられるチャンスにはチャレンジする方だという伊藤さんは、機械保全の技術者だった。特に回転機械の軸と軸受けの嵌合調整は手仕上げの微妙な調整作業が必要不可欠である。きつ過ぎても緩過ぎてもいけない。この軸と軸受けの当たり具合を削りながら微調整する。
職人であった父親の影響からか、こうした仕事が嫌いではなかったと伊藤さんはいう。就職の際、数多くある部署の中で自分に合った職種につけて幸せだったと振り返る。今は自分が教えた若い子たちが成長して、部下を抱えて一人前になっている姿を見ると嬉しいと語る。
おもちゃのメンテナンスを通じて
今の業務にできるだけ長く携わりたいという伊藤さんは、プライベートで5年ほど前から地域の「おもちゃの病院」の技師として、おもちゃの修理にも携わっている。これまでにかなりの数のおもちゃたちを修理してきた。子供たちには物を大切にする心を培うとともに、メンテナンスに興味を持ってもらって将来は工学系の道に進んでもらいたい。壊れていたおもちゃが直ってちゃんと動くと喜んでくれる姿を見ると素直に嬉しいと伊藤さんは微笑む。