野上　誠一（のがみ　せいいち）さん

令和元年度認定マイスター　四国電気工業株式会社　計装保全グループ グループリーダー　機械保全（電気系保全作業）

２４時間３６５日安全操業するために

四国電気工業では地元の化学工場内を操業するためのメンテナンス業務を請け負っている。
常日頃から温度や流量などを監視制御する装置の異常や故障が起きないように保全して、万一のトラブルがあれば迅速に対応する。
野上誠一さんは、その中で同社の計装保全グループを率いる責任者としてそれらを管理監督する。
客先の製品の品質維持や事故災害が起こらないように下支えしている。

新旧の技術を織り交ぜながら

ITやIoTなど計装に係わる機器も日々進歩している。そのためにも新しい機器に対する技術や知識は欠かせない。原理や動作を完全に理解し、時には取扱説明書に記載されていない事項までも把握して、突発な事態にも迅速な対応が求められる。その一方で未だに古い機器で動いているプラントもあり、古い機器の知識も欠かせない。基礎が理解できていなければ応用はできない。これまで取得してきた現場で必要とされる数多くの資格がそれを裏付ける。客先からやっぱり野上さんでないと、と言われるとうれしいと話す。

「計装」という仕事

自身も会社に入るまでは「計装」という世界を知らなかったという。もっと若い人たちにこの分野への関心を持ってもらいたいと野上さんは語る。
自身のこれまで培ってきた技能を伝承するために作業手順書や動画を作り、グループ内の情報共有や新人の指導にも当たっている。また新居浜市のものづくり発展のために、社外に出て地域企業の研修講師なども意欲的に務める。
計装という特殊な分野で、誰にも真似できない稀少な存在になることを目指し、まだまだ未熟だと新たな技能や資格取得のための研鑽に今日も励む。